長岡京市議会議員定数条例の一部改正

平成25年5月7日、長岡京市は臨時議会を招集しました。定期的(3月、6月、9月、12月)に実施される定例会以外で、必要な場合に開かられる議会のことを臨時会(臨時議会)といいます。行われた臨時議会では、市側から3つの報告と4つの議案が提出され、すべて承認・原案可決されました。

今回この件を取り上げたのは、この臨時議会において表題の通り「長岡京市議会議員定数条例の一部改正について」という議員提案が緊急提出(あってるかな?)されたからです。

それまでの議員定数についての議論

議員定数のあり方については、この臨時議会が開催される1年以上前から議論の対象になっていました。平成24年の3月議会で全会一致で可決した「長岡京市議会基本条例」を具体化するための「議会改革検討項目」に列挙されているのがそれです。

議会運営委員会で議員定数の議論が始まったのは、平成24年10月ぐらいからだったでしょうか。適切な議員数というのは定量化できるものではないのは当然で、なかなか具体的な議論に入れないまま年が明けました。そして平成25年3月の議会運営委員会で、各会派の議員定数削減案が次のように提案されました。

会派名 削減数 理由
ほうれんそうの会 2名 定数は、住民の意見反映と両隣議会の定数削減への住民感情から、特別職の7%報酬削減に相当する2名の定数削減。
公明党長岡京市議会議員団 2名 定数は、現状の26名で運営できていると考えているが、国や類似団体の動向から最小限の2減。
平成自由クラブ
平成市民クラブ
平成長岡クラブ
4名 定数は、類似団体や近隣の状況もさることながら、本市議会のあるべき原点で検討し、さまざまな市民の行政参画や運営、委員会構成を考慮し、自由クラブが2減、市民クラブが2減、長岡クラブが6減となり、統一的は4減。
日本共産党長岡京市議会議員団 0 定数は、二元代表制の重要な一翼として、類似団体に合わせるのではなく、本市の経過を踏まえて多様な民意反映の保障として現定数維持。
 民主フォーラム 4名 定数は、類似団体の状況比較から、本市の委員会構成状況も考慮し、4減。

その後、各会派に持ち帰り議論され4月の議会運営委員会で議論されるも、全会派の意見は一致せず、議会改革検討項目の結果としては各会派の意見をそれぞれ列挙する形にとどめ、議員定数に関する議論は一旦終了となりました。

(議会運営委員会は合議制で運営されています。この辺りのお話は、近いうちに別の機会で・・・)

臨時議会で条例案提出

長岡京市議会定数条例の一部改正についてこの流れの中、最初にも書きました平成25年5月7日に開催された臨時議会において、写真のような提案が議会に提出されました。提出者、賛成者に名前を連ねていらっしゃる議員さんは、上の表の「平成自由クラブ」「平成市民クラブ」「平成長岡クラブ」のそれぞれ幹事の方々です。

条例の改正案の要旨は、

  • 現在の議員定数を、26名から24名とすること。
  • 改正後、初めての市議会議員選挙から適用すること。

の2点です。

この提案に関して、質疑が行われました。

民主フォーラムの堤議員からは、「定数の議論に関しては結論を出す必要があると同時に、とても重要な内容でもある。平成自由クラブ、平成市民クラブ、平成長岡クラブの会派の統一見解は4名減でありながら、提案された内容は2名減とある。その理由と経過をお尋ねしたい」

日本共産党の藤本議員からは、「提案理由の中に社会経済情勢を鑑みとあるが、財政上の問題であるなら歳費を削るというのが妥当ではないのか。加えて4名減の見解を持ちつつ2名減の提案だが、なぜ2名減なのかの根拠を知りたい」

と言った内容の質問がなされました。

これに対し(提出者でもある)平成市民クラブの坪内議員は、「会派の見解として4名減であることは変わらない。その削減数での採決なら可決していたかもしれない。しかし、できるだけ多くの議員の賛成を得られるよう意見を聞きながら2名源を提案した。26名なら民意が届いて、24名なら届かないという議論は本末転倒。自らが襟を正し本気度を示す必要がある。」

のような内容の回答がありました。

(正確な文言は、議事録を参照して頂ければ幸いです。)

その後各会派の代表による討論があり、採決にかけられ、日本共産党を除くすべての会派の賛成で可決されました。

今年は市議会議員選挙の年

私には、長岡京市にとって市議会議員の人数が適切なのかよく分かりません。たくさんの民意を吸い上げるという観点で言えば、議員数は多いに越したことはないと思いますが、かといって増やせば増やしただけ財政支出は免れないわけで・・・。とても難しいテーマだと思います。また、自分たちの事を自分たちで決めなければならない市議会議員さんの立場を、傍聴していて単純に「大変だな〜」とも思っていました。

色々なところから、「市議会議員は選挙の時だけ頑張って、それ以外は何もしていない」的な話が聞こえてきたりするのですが、その方達にも今回の臨時議会の質疑・討論は聞いて欲しかったな〜と痛感しています。それは、各会派ごとに意見の違いこそありましたが、すべての質疑・討論に共通して「議会とは何か」「市議会議員に課せられている責任とは何か」「議会のあり得るべき姿とは何か」を、議場の場で議論され、意見が戦わされたからです。

議会を傍聴していても、なかなかこういう「しびれる」議論は見れません。
(ああ〜表現が稚拙で申し訳ないです・・・)

いずれ、長岡京市のホームページで議事録が公開されることになると思いますが、文字だけでは伝わらない緊張感と緊迫感があったことだけは、ここで付け加えさせて頂きたいと思います。

今年(平成25年)の10月には、24名の定数になって最初の長岡京市議会議員選挙が実施されます。新人の方も何名か出馬されるという噂も聞き及んでいます。24名になった議会はどんな光景になるのでしょうか・・・

 

# その前に、9月議会があるんですけどね^^;


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